「VTuberになりたいけど、いったいいくらかかるんだろう……」
「Live2Dモデリングの相場がピンキリで、どの価格帯が自分に合うか分からない……」
VTuberデビューを考えている人なら、誰でも一度は感じたことがある不安ですよね。
この記事では、VTuberとして活動を始めたいあなたのために、実際にLive2Dモデリングの依頼を受けている私がLive2Dモデリング依頼の相場や価格の違い、依頼方法を詳しく解説しています。
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Live2Dモデリングとは
すでにLive2Dモデリングがどういうことかわかっている方も多いと思いますが、どこが動いてどこが動かないのかや、3Dのモデリングとはどう違うのか知らない方も実際に依頼を受けてみて感じたので解説しておきます。
Live2Dの可動範囲
Live2Dは基本的に頭と顔の動きを見て、それに対応したパーツを連動して動かす(トラッキング)仕組みになっています。
自分がまばたきをするとイラストもまばたきをし、口を動かすとイラストも口を動かし、右左上下を向いたらイラストも連動して動くというものです。
顔の動きは割と細かくトラッキングしてくれるのですが、アニメであるようなうるうるした目になったり、怒って顔が真っ赤になり頭から蒸気のようなものが出たりということは表情変化に含められません(可能ではありますがすごい違和感が出る仕上がりになります)。
このような特殊な表情を出したい場合は、差分の表情を用意してキーボードなどの操作で表情を切り替える仕組みを利用する必要があります。
▼この動画の場合、コントローラーの出し入れやヘッドホンの出し入れをキーボード操作で行っています。
また、腕や指の動きも2025年3月現在でトラッキングできるようソフトも進化してきておりますが、イラストの用意やモデリングの技術のハードルの高さからほとんどの人は導入しておりません。(導入するスキルがあったとしてもかなり高額になる)
たまにVTuberさんが手を動かしているシーンを見ることもあると思いますが、これは3Dである可能性が高いです。
3DモデリングはLive2Dと比較して高額になることが多いですがトラッキング時に稼働するパーツは多く、ソフトを使えば背中まで見せることも可能です。
ただ、3DはLive2Dと比較してパーツが腕を貫通したり、画質も少し悪くなりがちです。このあたりはソフトの進化でだいぶ良くなってきてはいますが、高画質で違和感なく動ける3Dはとても高額です。
Live2Dモデリング依頼の価格帯(初心者向け~高額モデル)
ここからが本題です。Live2Dモデリングを依頼した際の価格帯について解説していきます。
初心者・低予算向けモデル
Live2Dモデリングの依頼料金は、安い場合は1万~5万円程度から始まります。
この価格帯では基本的な動きのみのシンプルなモデルが多く、顔の左右の動き・まばたき・口の開閉など最低限の表情変化に対応したものが一般的です。
VTuberデビュー用の入門モデルや簡易プロジェクト向けに適した価格帯です。
中価格帯モデル
5万~15万円前後の価格帯になると、モデルのクオリティや可動域が上がります。
顔の動きに加え体や髪、手の動きなども含まれ、キャラクターがより多彩な表情・仕草を表現できるようになります。
この範囲が個人クリエイターへ依頼する場合の一般的な相場で、実際個人依頼の総額相場は5~15万円ほどと言われます。
配信や動画制作など幅広い用途に十分なモデルが得られるため、多くのVTuberさんがこのクラスのモデルを利用しています。
高額モデル
15万~30万円以上になると、非常に高機能で凝ったモデルが依頼できます。
具体的にはキャラクター全身の動き(ポーズ変更や腕・脚の動き)や豊富な表情差分、服装やアクセサリーの着脱といった要素まで盛り込まれます。
このクラスはプロVTuberや商業プロジェクトで利用されることが多く、依頼するクリエイターの実績もトップクラスです。
場合によっては制作会社に依頼して総額30~40万円超となるケースもあります。
ただし、一般的な2Dモデルの依頼で高くても15万円程度が目安になることが多く、30万円を超えるような案件は企業系など特殊な例と言えるでしょう。
価格が高いモデラーと安いモデラーの違い
ここからは、価格が高いモデラーと安いモデラーにはどのような違いがあるのかについて解説していきます。
技術力と実績の差
モデリング費用はクリエイターのスキルや実績によって大きく異なります。
高額なモデラーはLive2Dでの豊富な制作経験があり、過去に人気VTuberモデルを手掛けた実績など信頼の積み重ねがあります。
そのためモデルの完成度が高く、細部まで滑らかに動くのが特徴です。
一方、安価なモデラーは駆け出しだったり実績が少ない場合が多く、提供される動きや仕上がりが基本的・最低限のクオリティに留まることがあります。
顔の動きに対してパーツの動きが合っていない、ということもしばしば。
モデルの可動域と表現力
高価格のモデルでは、パーツ分けの細かさや動きの複雑さが段違いです。
高額モデルでは髪や衣装の細部に至るまでパーツが細かく分割され、首振りや体のひねりも大きく自然に動きます。
また表情差分や特殊モーションも豊富で、ウインクや笑顔だけでなく驚き顔や泣き顔など多数用意されることが多いです。
一方、低価格モデルはパーツ数が少なく動きも限定的で、首を振る・瞬きするといった基本動作中心になります。
例えば安価プランではXYZ軸の動きが限定的で横揺れ程度の物理演算しか含まれないのに対し、高額プランでは全身の動きや縦横の揺れ、細かな表情変化まで盛り込まれることがあります。
納期や対応
料金の高いクリエイターほど受注が集中しており、依頼から納品まで待ち時間が長めになることもあります。
また人気クリエイターは修正依頼への柔軟さやスケジュール調整が難しい場合もあるため注意が必要です。
一方、安価なクリエイターは比較的スケジュールに空きがあり迅速に対応してくれるケースもあります。
ただし品質とのトレードオフになるため、価格だけでなくコミュニケーションやアフターフォローの評判なども確認すると良いでしょう。
提供内容の違い
料金が高いプランでは追加オプションが充実しています。
例えば新衣装や新髪型の差分追加、複雑なアニメーション(踊りや特定のジェスチャー)なども含めて制作可能ですが、その分費用も上乗せになります。
一方、安価なプランではオプションは最低限で、表情差分の追加や特殊モーション対応は別料金扱いになることが多いです。
つまり「何がどこまで含まれるか」が価格帯によって大きく異なり、高額になるほどフルカスタマイズに近いサービスが受けられると言えます。
依頼から納品までの一般的な納期目安
Live2Dモデルの制作には最低でも数週間~1ヶ月程度は見ておくのが一般的です。
多くの個人モデラーの場合、納期は約2週間~2ヶ月ほどと案内されています。
もちろん、モデルの複雑さやクリエイター側の受注状況によって変動します。
例えばパーツ分け済みのイラストを持ち込んで基本的なモデリングを依頼するだけなら、早ければ2~4週間程度で納品されるケースもあります。
実際、出品者は「最短4日、通常は約2週間で納品」といった短期納品プランを提示しています。
しかし高クオリティなモデルや人気クリエイターへの依頼では、1~2ヶ月以上の制作期間を要することも珍しくありません。
イラスト制作から始めてモデリングまで一括依頼する場合は、その分工程が増えるため合計で2~3ヶ月程度かかる場合もあるので余裕をもって依頼することが大切です。
また、お急ぎオプションを提供しているクリエイターも一部存在しますが、追加料金が発生したり対応自体を受け付けていないケースもあります。
スケジュールには余裕をもち、事前に納期の目安を相談しておくと安心です。
Live2Dモデリングの依頼方法とサービスごとの相場
Live2Dの依頼はモデラーに直接依頼する方法のほか、ココナラ・SKIMA・nizimaといったサービス経由で依頼をする方法があります。
それぞれのサービスの相場について解説していきます。
ココナラでの依頼相場
ココナラはイラストやモデリングのスキルマーケットとして人気で、Live2D関連の出品が約650件ほど掲載されています。
価格帯はピンキリですが、2万円程度の安価なものから10万円以上の高額サービスまで幅広く揃っています。(比較的安い)
ココナラ公式の案内によれば、2DのVTuberキャラクター(イラスト+簡易モデリング)なら高くても15万円程度が目安とされています。
実際、ココナラ上のLive2Dモデラーの出品情報を集計すると依頼相場は5万~30万円程度というデータもあります。
ココナラではサンプル動画も掲載できるため、動きのクオリティを確認しながら予算に合ったクリエイターを探しやすいのが利点です。

SKIMAでの依頼相場
SKIMA(スキマ)もココナラと類似したスキルマーケットで、Live2Dモデリングカテゴリの出品数は650件以上とほぼ同規模です。
基本的な価格帯・サービス内容はココナラと大きな差はなく、相場観もココナラ同様に2万~15万円前後が中心となっています。
SKIMAでは一覧画面でサムネイルが大きめに表示されるなどUIの違いがありますが、依頼の流れ(メッセージで相談→購入→制作)や手数料体系も似ています。
クリエイター側の手数料は約20%前後ですが依頼者は表示価格のみ支払えばOKなのも共通点です。
したがって、SKIMAでもココナラと同等の費用感で依頼先を検討できます。

nizimaでの依頼相場
nizima(にじま)はLive2D公式のマーケットで、完成モデルの売買だけでなくオーダーメイド依頼も可能なプラットフォームです。
nizima上でもLive2Dモデリングを受注するクリエイターがおり、出品プランの一例では「モデリングのみ50,000円~・最短納期2週間」という案内が見られます。
基本的に個人クリエイターへの依頼相場(3~15万円前後)は3サービスと大差ありませんが、nizimaは公式サイトならではの安心感やプレビュー機能(Web上でモデルを動かして確認できる)などの利点があります。
手数料も依頼者側は不要でクリエイター負担(10%)となっているため、見積もり金額通りの支払いで完結します。
総じて、ココナラ・SKIMA・nizimaのいずれでも相場に大きな違いはなく、予算に応じて適切なクリエイターを探すことが可能です。

既存モデルを購入する場合の価格帯
nizimaやBOOTHといったサービスではモデリングを依頼するのではなく、すでに完成したLive2Dモデルを購入することが可能です。
既存モデルの価格帯(nizima)
すでに完成しているLive2Dモデルを購入する方法では、価格は非常に幅広く設定されています。
nizimaでは汎用モデル(複数人が購入可能なモデル)の場合、数百円~数万円程度で取引されることが多く、実際2023年の平均購入価格は約2,548円と非常に手頃です。
一方で限定1点モデル(1人だけが購入できる一点物)の場合、数万円~数十万円で売買される傾向があり、平均約84,947円と桁が一つ上がります。
参考:nizima公式note
つまり、非独占モデル(汎用モデル)なら数千円程度から入手可能で、独占モデル(限定モデル)なら数十万円近くを見込む必要があります。
既存モデルの価格帯(BOOTH)
BOOTHでもLive2Dモデルの販売は盛んで、価格帯はnizima同様ピンからキリまであります。
無料~数百円でダウンロードできるお試しモデルや簡易アバターもあれば、5,000円前後で販売されている一般向けモデルも多く見られます。
高品質なものやセット商品(衣装差分付き等)では1万円以上の値が付くものもありますが、全体的には1万円未満の手頃なモデルが充実しています。
また、BOOTH上にはオーダーメイド受付を出品しているクリエイターもおり、「基本料金3万円(イラスト~モデリング込み)」や「グレード別プラン10万円」など、完成品購入と依頼受付の両パターンが混在しているのも特徴です。
既存モデル購入のメリット
「すぐに使える」ことが最大のメリットです。購入手続きを済ませればその場でモデルデータを入手できるため、VTuber活動を即開始可能です。
また価格が明朗で、事前に提示された金額を支払うだけなので、依頼制作のような追加費用の心配がありません。
特に汎用モデルは安価なものが多く、オーダーメイドより費用を大幅に抑えられる点も魅力です。
「まずは低予算でVTuberを始めてみたい」という初心者にとって、既存モデル購入は手軽な選択肢と言えるでしょう。
既存モデル購入のデメリット
一方で「自分好みのキャラが見つからない可能性」があります。
販売されているモデルは既にデザインが決まっているため、髪型・衣装・雰囲気などが自分の理想と合致するかは運次第です。
汎用モデルだと他の購入者と被ってしまう(同じモデルを使う人が複数いる)リスクもあります。
また、一点物を購入した場合でも自分でオーダーメイドしたわけではないため、「もう少し○○だったらいいのに」という部分が残ることもあり得ます。
さらに購入後のアフターサポート(モデルの微調整やトラブル対応)に関しては、依頼制作ほど手厚くないケースもあります。
要するに、既存モデルはカスタマイズ性と選択肢の自由度が制限される代わりに、即時利用と低コストを得る手法だと考えましょう。
新規イラスト(キャラクターデザイン)を依頼してモデリングの発注もする場合の相場
オリジナルキャラクターでVTuberデビューしたい場合、キャラクターイラスト制作とLive2Dモデリングをそれぞれ依頼する必要があります。
まずイラスト料金はパーツ分け込みで約3~5万円が相場です(※イラストレーターの人気やイラストの描き込み量によっては10万円以上になるケースもあります)。
Live2Dモデリング費用は約1~5万円が一般的なので、イラスト+モデリングの合計は、相場で5~10万円程度、クオリティや依頼先次第では15万円前後まで見込んでおくと良いでしょう。
実際、個人クリエイターに全工程まとめて依頼した場合の相場は5〜15万円程度とのデータもあります。
参考:Live2Dの依頼相場は?イラストやモデリングは誰にいくらで頼める?
この価格帯であれば完全オリジナルのVTuberモデルが手に入ります。
イラストレーターには自分の好みの絵柄の人を選び、モデラーには信頼できる方を選定することで、既存モデル購入にはない理想通りのキャラクターを実現できます。
オーダーメイドのメリットとして、好きな作家に依頼できて細かい要望にも対応してもらえる点が挙げられ、出来上がったモデルへの満足度はやはり高くなりやすいです。
ただしデメリットとして完成まで時間がかかる(発注~納品に数ヶ月を要することも)ことや、人気クリエイターは募集枠がすぐ埋まってしまうこと、さらには上がってきたモデルがイメージと異なる可能性もゼロではありません。
こうしたリスクも踏まえつつ、予算合計○○万円以内と決めてイラストとモデリング双方の依頼先を探すのが賢明です。
合計費用の具体例
例えば個人の実績あるイラストレーターに立ち絵制作をお願いし(料金5万円)、別のLive2Dモデラーにモデリングを依頼した場合(料金4万円)、オプションなしでも合計9万円程度になります。
これに表情差分の追加(数千円~)やモーション追加(1点5,000円~1万円)を付ければ10万円を超えてくる計算です。
一方、予算を抑える場合は比較的安価なクリエイターを選び、イラスト3万円+モデリング2万円=合計5万円といったケースもあります。
ただし極端に安い場合は品質面で不安も残るため、料金とクオリティのバランスを見極めることが重要です。
依頼時のポイント
イラストとモデリングを別々に依頼する際は、イラスト発注時にLive2D用のパーツ分け対応が可能か確認しましょう。
Live2D用イラストは通常の一枚絵と異なり、髪・目・口など細かくレイヤー分けして描く必要があります。
対応経験のある絵師ならスムーズですが、未経験の場合は追加料金や納期延長になることも。
また著作権や利用範囲の取り決めも明確にしておくと安心です。
イラスト完成後はモデラーにPSDデータを渡してモデリング工程に入りますが、信頼できるモデラー選びのために事前にポートフォリオ動画をチェックし、希望する動きが実現可能か相談すると良いでしょう。
こうした準備を経ることで、総額○○万円の投資に見合う満足のいくモデル制作につながります。
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